インドネシア、ボゴール

インドネシア。混沌という言葉をそのまま体現したような巨大都市・ジャカルタから数十キロ内陸に入ったボゴールは、世界最大の植物公園が有名で、元大統領の別荘もあることからわかるように、ジャカルタより遙かに過ごしやすい郊外の街である。

ジャカルタの空港からボゴールまではジャカルタの中心部を貫いた高速道路で繋がっていて、スムーズに流れれば1時間で着くのだが、このルートは慢性的な混雑に見舞われている。場合によっては空港から5時間かかることもあるとのことだった。1時間に10kmという計算なら僕のジョギングの方がよっぽど速い。ジャカルタは今や、東京に続き、都市圏人口は世界2番目となっているのだが、増え続ける人口に対してインフラの整備が全く追いついていないから、ジョギングが車に勝つことになってしまう。空港で捕まえたタクシーの運転手には、最初3時間かかると脅されていたが、ちょうどこの日は世間的には休日だったこともあって、すんなり1時間でホテルに着いた。

とは言いつつもい、ボゴールも中心部は人や車で溢れ返っている。ナシゴレンやミーアヤムの屋台や、暇そうに客待ちをしているサイクルリクシャーや、安物のギターを片手に演奏してチップをねだる若者や、学校帰りで元気が有り余っている子供たちを掻き分けながら街を歩いた。空気は水分をたっぷりと含んで肌にべったりとまとわりつく。もうすぐ雨季がやってくる。