翌日、若干ではあるが体調は回復傾向。早朝の飛行機で、次の目的地であるインレー湖へと向かう。バスで行けば20時間だが、飛行機ならバガンからヘーホーまでは一瞬。ヘーホーからインレー湖までは車で約1時間の道のり。いつもならバスに乗りたいところだが、この体調だとさすがに死ぬわ。
インレー湖の畔の街ニャウンシャエ。バガンと比べれば小さい街ではあるが、「市場」と「屋台」という貧乏旅を楽しむための2大要素が充実している。たまたま選んだ安宿も居心地がよく、中庭のベンチで本を読みながらまったりと過ごしながら、体調の回復を待つ。夜になれば、もちろん屋台に繰り出し、絶品の串焼を近所の酒屋で買ってきたビールで流し込む。たまたま屋台で知り合った長旅中の日本人カップルと、一緒に船をチャーターして、翌日は早朝からインレー湖に繰り出す。登りたての日の光が乱反射する湖面の美しさといったら!
インレー湖の湖畔では、どこかの村で日替わりで市場が立つ。この日たまたま市場が開かれていた村から細長く曲がりくねった運河を通り抜け、湖畔の遺跡/寺院インティンへ。崩壊寸前の打ち捨てられた仏塔から、ごく最近建立されただろう金ピカに光り輝く仏塔まで、さまざまな仏塔が乱立している。この場所に限ったことではないが、この国での信仰は、決して「遺跡」として人工的に真空パックされたものではなく、現在進行形で回っていることを実感する。
湖上の寺院や、英語が堪能な首長族的な皆様の家や、土産物屋にも強制的に立ち寄られつつ(そして、何も買わない)、湖に沈む夕日を眺めていると、子供の漁師が近寄ってきた。いい写真が撮れたと喜んでいると、まあ、もちろんこちらに寄って来てチップを要求される訳だけれども、小銭があんまりなかったのよ。ポケットの奥底で発見した、ほんとに少額のコインだけ渡したら、悲しそうな顔をして去っていった。まあ、漁師は漁師らしく、魚を獲ってがんばって欲しい。すまん。
ニャウンシャエには全部で3泊したが、どうしても体調が優れなかったようで、インレー湖に遊びに行った日以外は、昼間は宿でごろごろ&ぶらぶら散歩→夜は屋台、の繰り返しであった。そうそう、この街で見つけた掘り出し物。謎のビルマ歌謡を奏でながら練り歩く、ビルマ版サウンドカー。
この街は以上に標高が高く、常夏のビルマにしては珍しく物凄く冷える。夜は、なんと氷点下近くまで冷え、昼間は30℃以上にもなる。あまりにも過酷な環境だった訳だが、仲良くなった日本人カップルと毎晩同じ屋台で飯を食って、いろんな話をして、かなり楽しかった。今はどこの国で何をしているのだろう。
そして、暖かい気候と青い海を求め、僕等はガバリへと飛ぶ。